なぜコンベアチェーンの張り調整が必要なのか
コンベアチェーンは、使い始めのなじみによる初期伸びと、ピン・ブシュの摩耗によって少しずつ長くなります。そのまま使い続けると戻り側のたるみが大きくなり、振動や歯飛び、スプロケットへの乗り上げ、チェーン外れを起こしやすくなります。
ただし、たるみをなくそうとして張りすぎるのも禁物です。関節部に必要な油膜が保ちにくくなり、ピン・ブシュだけでなく、スプロケットや軸受にも余計な力がかかります。張り調整の目的は、チェーンをぴんと張ることではなく、その設備に合ったたるみを保つことです。
コンベアチェーンの張りが緩すぎる・強すぎる場合の症状

チェーンが緩んでいると、戻り側が大きく上下する、起動時に衝撃音が出る、スプロケットの歯に乗り上げる、ガイドやフレームに当たるといった症状が見られます。搬送位置が安定しないこともあります。摩耗伸びのほか、テークアップの緩みや左右差、スプロケット摩耗、芯ずれ、異物の噛み込みも疑いましょう。
張りすぎの場合は、チェーンや軸受の発熱、モーター負荷の上昇、金属が擦れるような音、短期間での摩耗などが現れます。調整した直後に音や電流値が変わったときは、張りすぎていないか見直してください。
コンベアチェーンの張りを確認する前の安全対策
チェーン周辺の点検には、巻き込まれや挟まれの危険があります。作業前にコンベアを止めて主電源を遮断し、ほかの人が起動できないようにしてください。搬送物や残留物を取り除き、チェーンに残った張力やカウンターウェイトにも注意します。運転中に手で張り具合を確かめる行為は非常に危険です。
コンベアチェーンのテンション調整手順
はじめにチェーンの型式とコンベアの配置、駆動方向を確認し、メーカーが指定するたるみ量と点検位置を調べます。コンベヤチェーンと伝動用ローラーチェーンでは基準が異なるため、別の設備で使った数値をそのまま当てはめてはいけません。
続いて、たるみや左右差だけでなく、リンクの固着、プレート・ローラーの摩耗、スプロケットの歯形、軸の平行、ガイドレールとの接触も見ます。たるみの原因がスプロケット摩耗や芯ずれであれば、チェーンを張るだけでは直りません。
テークアップは一度に大きく動かさず、少しずつ調整します。2条チェーンの場合は、左右の移動量をそろえることが重要です。左右差があると、チェーンとスプロケットが片当たりし、偏摩耗や脱線につながります。調整後は干渉がないことを確かめ、防護カバーを戻してから低負荷で試運転します。音や振動、電流値、蛇行、噛み合いに問題がなければ通常運転へ戻します。
コンベアチェーンの張り調整で確認したいたるみ量
大形コンベヤチェーンでは戻り側のたるみを約0.1L、伝動用ローラーチェーンではスパンの約2%とする例があります。ただし、垂直配置や長い軸間距離、正逆運転、位置決め、高温・重量物搬送では条件が変わります。目安の数値だけで決めず、対象設備の取扱説明書とチェーンメーカーの基準を優先してください。
コンベアチェーンの張り調整で安定稼働につなげよう
コンベアチェーンは、緩すぎても張りすぎても不具合の原因になります。調整するときは、たるみだけでなく、摩耗伸びやスプロケット、芯出し、左右差、潤滑状態も合わせて確認しましょう。適正値は設備ごとに異なります。メーカー資料を基準とし、調整代が残っていない場合や部品に損傷がある場合は、交換やオーバーホールをご検討ください。

コンベアの修理・メンテナンスは当社にお任せください
たるみだけを見てテークアップを動かしても、チェーンの摩耗伸びやスプロケット摩耗、芯ずれが残っていれば、同じ不具合を繰り返します。工場設備・装置 修理・メンテ・改造センター.COMでは、現地でチェーンコンベア全体を調べ、張り調整から部品交換、修理、オーバーホールまで対応します。調整代が残っていない設備や、異音・振動を繰り返す設備もご相談ください。
よくある質問
Q.コンベアチェーンは強く張った方が外れにくくなりますか?
A.いいえ。張りすぎるとチェーンや軸受に負担がかかり、発熱や早期摩耗につながります。設備ごとに定められた、適正なたるみを保つことが大切です。
Q.左右のテークアップ量が違っても問題ありませんか?
A.2条チェーンの左右差は、片減りや噛み合い不良の原因になります。メーカーの基準を確認し、原則として左右を均等に調整してください。
Q.テンション調整で直らない場合はどうしますか?
A.摩耗伸びやスプロケット摩耗、芯ずれ、リンクの固着がないかを調べます。状態によっては、チェーンとスプロケットの交換やオーバーホールが必要です。